10→100フェーズにおける組織におけるプロダクトマネージャーの役割とは
はじめに
10→100フェーズのプロダクトに関わる中で
- プロダクトマネージャーの役割とは?
- プロダクトマネージャーとして資質を伸ばす、成長するには?
というのを最近考えていて、そのまとめです。
プロダクトマネージャーの役割とは?
プロダクトマネージャーの役割とは何なのか?ネットで調べたり、色々な人がよく言うのは
- ミニCEO
- 売れるプロダクトを見つけ出す(考える)人
- プロダクトの全てに責任を持つ人
とかが多いかなと思います。 いずれも プロダクトの企画〜運用、全てに責任を持つ というコンテキストが見え隠れするのですが、現場で働く中であんまりしっくりきていなくて、理由を考えてみました
その1 プロダクトの全てに責任を持てない
プロダクトの全責任を持てるというのは、結構限定された状況じゃないかなーという気がしています。その状況とは
という場合だと思います。
まず成長ドライバーがテクノロジーではなく、コンテンツ(動画、記事など)や営業パワーだったりすると、はたしてプロダクトマネジャーがそこまで権限を持てるのかという疑問があります。
当たり前ですけど、成長ドライバーとなる要素をハンドリングする人が最も権限を持つべきで、そこがテクノロジーでない場合、全責任を持つべきではありません。
もちろん、「じゃあ、どこまでがプロダクトなのか?」という疑問ももちろんあり、例えば、下記のような要素とかはグレーゾーンですね
- コミュニティ
- サポート
- セールス
- マーケティング
- 説明文やドキュメント
- 調達
- リソース
- 広告
- コンテンツ
組織、事業の状況と何よりプロダクトマネージャーの資質、志向性によって範囲は変わりますよね
ちなみに上記とかは全部ひっくるめてプロダクトだろ!いう論理もあると思うのですが、そういう時はプロダクトマネージャーでなくプロデューサー、事業責任者というロールの方がスッキリします。
※なおプロダクトマネージャーがアジャイルでいうプロダクトオーナーに近い(要はバックグランドがエンジニア)という前提でバックログとして開発案件の管理が主業務という前提で書いています。
その2 売れるプロダクトを見つけ出すケースはそんなにない
本当に昨今のスタートアップ企業が発信力を上げているというのもあり、基本的に全て0→1前提(0からプロダクトを開発してリリースする)で語られることが多いのですが、現実世界で圧倒的に多いのは既存の事業なりプロダクトがあって、その中の1つのモジュールを新規にリリースする場合だったりするんですよね
いわばPMFには到達していて、そこからエンハンスするケース(といっても完全に延長線なわけではなく、ターゲットは違ったりしますが)
PMFに向けてひたすら全力で仮説検証を回すというよりかは、どちらかというと持続的な成長のための仕組みづくりとかの方が優先度高かったりします。
組織もプロダクトと考える https://techblog.timers-inc.com/entry/org_as_product
プロダクトマネージャーとして、どこに責務を持つか?
基本の形は下記だと思います
個人的にプロダクトマネジメントのバイブルだと思っているInspiredに書かれたことを参考にしており
- プロダクトマーケティング:製品の発信が責務
- プロダクトマネジメント:製品のプロフィール決めるのが責務
になるのかなと
自分なりの解釈ですがプロダクトのAARRRモデルにおいて
- Acquisition(ユーザー獲得)
- Referral(紹介)
においてプロダクトにとっての成功を定義して、実行するのがプロダクトマーケティング
- Activation(利用開始)
- Retention(継続)
- Revenue(収益の発生)
においてプロダクトにとっての成功を定義して、実行するのがプロダクトマネジメント
と考えるとイメージしやすいかと思います。
事業として実現したいことがあって、その手段がプロダクト、上記2つだけだとそこに責務を持つ人がいないので、 上位にプロデューサーがいるという構図になります。
この基本形がありつつ
- プロダクトの性質
- 本人の資質
- 組織的な成熟度
によって兼務したりが発生するんだと思います。 (スタートアップとかだとほぼ例外なくプロデューサーとプロダクトマネジメントが兼務)
なので、最低限
- プロデューサーとコミュニケーションした上で、事業を理解してプロダクトのWhy,Whatを決めることができる
- プロダクトのWhy,Whatを伝えて、エンジニアが納得感を持って開発を進められる状態にする
がプロダクトマネージャーの役割となります。
そこから資質と志向性によって、マーケティングにも手を出したり、事業戦略にも手を出したりしていくわけですね。
そして、このWhy,Whatを決める部分で いかに引き出しをたくさん持って、インパクトの強いプロダクトのWhatを定義できるか というのが プロダクトマネージャーの腕の見せどころかと思っています。
この記事のアートとサイエンスの掛け算という表現がとても気に入っています https://questpm.hatenablog.com/entry/2018/10/08/assign_priority?utm_source=feed
プロダクトマネージャーとして資質を伸ばす、成長するには?
シンプルに 打席に立つ回数を増やす 以外にないと思います。多彩な状況に置かれて判断を下していくことで 引き出しが多くなり、判断軸も出来上がっていくのだと思っています。
ということもあり、とにかく副業でもサイドプロジェクトでも、1つでも多くのプロダクトに関わってWhatを定義するということを最近意識してやっています。
ただ、実行している中でどういう打席に立つか というのは結構重要で プロダクトとしての
- 仮説
- 検証
- 検証による学び
を1周しないと打席としてはノーカウントかなと思います。
要は
- リリース前にバックログの整理や推進だけやって、リリース後は別のプロジェクトに行く
- リリースしてないけど、ユーザーインタビューとかして仮説検証している
とかだとノーカウントということですね。
必ずしもプロダクトの一番最初の企画から関わる必要はないと思いますが、とにかくリリースして、リリース後の反応を元に試行錯誤を繰り返さないと何の意味もないと思います。 より高次元の大きな仮説に関われるので、企画の初期段階からいるに越したことはないかと思いますが
リリースすることの重要性 http://yuzutas0.hatenablog.com/entry/2018/12/25/170000
さいごに
自分もまだまだですが、プロダクトマネージャーって組織だったり、事業だったりに応じて求められるスキル、役割が変わるので、明確な定義はないと思っています。 とはいえ皆悩んでいるのは、Google先生の結果からもある程度わかっているので、 こういう場合は〜なタイプのプロダクトマネージャーが必要 というのがある程度パターンとして定義できるといいのかなと思っていたりします。